任意整理後に自動車ローンは組めるのか?
こんにちは、レディックです。
裁判所を介さずに債権者である貸金業者などと「将来利息」や「延滞損害金」などの免除を求めて交渉する、「任意整理」は債務整理の中で最も利用されている方法です。
任意整理に関係する情報は数多くの人が目の当たりにするようになり、将来利息を0円にしてもらったり、返済期間を交渉して月々の負担額を減額してもらったりというメリットは以前より知られるようになりました。
さて、任意整理に関係して懸念されることの一つとして、「任意整理後の自動車ローン」の問題があります。
『任意整理をすると自動車ローンは組めなくなるの?』
『今組んでいる自動車ローンはどうなってしまうの?車は没収されてしまう・・・?』
このように心配される方が非常に多くいます。「任意整理」を専門家に相談する前にこの点を考えて二の足を踏む方も多いようです。
自動車は仕事などでも使うケースがありますし、地方に行けば生活必需品となっているケースもあるでしょう。任意整理で借金生活から脱却できるのは良いのですが、任意整理後にローンを組んで自動車を購入できるのでしょうか?
結論から言うと、「任意整理をした場合、新規に自動車ローンを組むのは基本的には難しい。』と言わざるを得ません。ですが、必ずしも自動車ローンが組めなくなったり、車が没収されてしまうわけではありません。
正しい方法をとることで、車を残しつつも借金問題を解決することは可能です。
・・・というわけで今回は「任意整理後に自動車ローンは組めるのか?」についてご紹介します。
- 1.任意整理とは?
- 2.任意整理をしてブラックリストに載ると自動車ローンは通らない
- 3.ブラックリスト抹消後も任意整理をしたローン会社だと難しい・・・
- 4.任意整理をしていても自動車ローンを通す方法
- 5.まとめ
1.任意整理とは?
「任意幣理」とは、債権者と将来利息のカットや長期分割弁済などの返済の方法や返済の額について交渉をして、支払いが可能になるような(今よりも良い)条件での合意を成立させる手続きです。
すべての債務整理の手続きの中で、最もよく利用されるのが、この任意整理の手続きですが、裁判所への申立の必要はなく、自分一人でも行うことができます。
これは他の信務整理が裁判所を介する法的措置*1であるのに対して、任意整理は債権者と債務者との「私的交渉」という位置づけなります。
また、裁判所は関与しませんので、自己破産や個人再生の場合のように、裁判所に提出する書類を用意する必要はありません。
「利息制限法」の上限利率を超える利息の契約がある場合には、利息制限法による引き直し計算を行い、過去に払い過ぎている利息を元本に充当して債務を減らします。*2
そして、将来の利息はカットして長期分割払いをするという交渉や、一括返済するので債務を減額して欲しいというような交渉をしていきます。
なお、「任意整理は私的交渉ですので、自分一人で行うことができる」と書きましたが、債権者相手の交渉については、素人にはハードルが高く、専門家(弁護士や司法書士)に依頼するほうが良いでしょう。
2.任意整理をしてブラックリストに載ると自動車ローンは通らない
債務整理を行うと、銀行や消費者金融、クレジットカード会社が加盟する情報ネットワークに事故情報が記載されます。これが俗に言う、「ブラックリストに名前が登録されている」状態。何年間ブラックリストに載っているのかは選択した、債務整理の手続きによって異なります。一般的に返済の延滞であれば1年間、任意整理や個人再生の場合には、5年間と言われています。
なお、この「○年間」というのは、事故の事実が解消した時点からの起算になります。債務整理の場合は、手続きが完了した時点で「事故の事実が解消した」とみなされるため、借金の減額が決定した時点から、ブラックリスト登録期間の計算が始まると考えてください。いずれにしても、基本的にはブラックリストに情報が登録されている期間中に自動車ローンを通す事は難しいでしょう。
しかし、一生、自動車ローンが組めなくなるわけではありません。大切なのは1日でも早く専門家に相談をし、今取れる最も最適の方法をとることです。
借金問題は時間が経てば経つだけ状態は悪化するだけ。
3.ブラックリスト抹消後も任意整理をしたローン会社だと難しい・・・
任意整理を行うと、新しいローンを組む事は難しくなります。ですが、一生に渡って自動車ローンが組めなくなるわけではなく、一定期間経過すれば再度自動車ローンを組む事は可能です。*3
ただし、ここで一点注意をしなければならない点があります。
過去に任意整理をした金融機関に対しては、ブラックリスト掲載期間終了後に、新しく申込みをしても審査が通らない可能性があります。会社が自社で過去の事故履歴を管理している事は十分に考えられます。*4
言い換えれば、任意整理の対象となったローンや借金の借入先ではなく、別の(過去に事故を起こしていない)会社でローンを検討する必要があります。4.任意整理をしていても自動車ローンを通す方法
配偶者や親名義で自動車ローンを通す
夫婦や親子供でも、債務整理をして身内の信用情報にも影響が出る可能性はありません。妻や親が連帯保証人になっている場合は別ですが、家族名義で自動車ローンを通す事は十分に可能です。
専業主婦や無職の場合、安定収入がない為、審査は厳しくなる可能性はありますが、収入さえあればパートでも通る可能性はあります。年収が高い、頭金を用意できる場合
収入が明らかに高い場合や、車両代金の多くを頭金として支払う事ができる場合、自動車ローンに通る可能性は多少ですがあります。この辺はあくまでも、ローン会社の判断になるので一概にはいえませんが、該当する場合は審査をしてみる価値はあるでしょう。
また、最近ではカーシェアリングなど手軽に車を借りる事も出来るようになりました。自動車ローンがどうしても組めない場合にはそういった新しいサービスの検討をしてみるのもアリだと考えます。5.まとめ
任意整理を行った後、一定期間(5~7年間)、自動車ローンを組む事は難しくなります。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産、特定調停がありますが、どの手続きを選択したとしても、任意整理に限らず、債務整理後にローン審査を通過するのは難しいでしょう。
しかし、配偶者や親名義で自動車ローンを通す事は可能ですし、実際に多くの方がそういった方法で自動車を購入しています。
このあたりを十分に把握して、自動車ローンが組めるようにしてください。
・・・以上が「任意整理後に自動車ローンは組めるのか?」のご紹介でした。
繰り返しになりますが、任意整理を行うと、借金返済の条件がより良い条件になりますが、しかし、その代償として、任意整理後、5~7年間は「ブラックリストに載る」状態です。確かに、債務整理をする事によって自動車ローンを組めなくなったり、クレジットカードが作れなかったりとデメリットになる部分はあります。しかし、借金の返済が厳しいと思った時には既にその借金を完済できる可能性はほぼありません。
いずれにしても、借金問題は時間との戦いです。
まずは、1日でも早く弁護士や認定司法書士に相談を行い、新しい人生の第一歩を踏み出してください。
この記事が借金生活でお悩みの方々にご参考となれば幸いです。
では、また。
【任意整理でおすすめの司法書士事務所一覧】
ランク | 事務所名 | 所在地 | 代表 | 所属 |
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1 | 新大阪法務事務所 | 大阪市東淀川区 | 金井 一美 司法書士 | 大阪司法書士会 |
1 | 司法書士法人はたの法務事務所 | 東京都杉並区 | 幡野 博文 司法書士 | 東京司法書士会 |
3 | 司法書士法人杉山事務所 | 大阪市中央区 他 | 杉山 一穂 司法書士 | 大阪司法書士会 |
4 | 司法書士法人みつ葉グループ | 東京都港区 他 | 宮城 誠 司法書士 | 沖縄県司法書士会 |
5 | アヴァンス法務事務所 | 大阪市中央区 他 | 姜 正幸 司法書士 | 大阪司法書士会 |
6 | ウィズユー司法書士事務所 | 大阪市北区 | 奥野 正智 司法書士 | 大阪司法書士会 |
7 | アストレックス司法書士事務所 | 大阪市中央区 | 川﨑 純一 司法書士 | 大阪司法書士会 |
8 | アース司法書士事務所 | 大阪市北区 | 近藤 陽介 司法書士 | 大阪司法書士会 |
9 | エストリーガルオフィス | 大阪市北区 | 東口 昌弘 司法書士 | 大阪司法書士会 |
【任意整理でおすすめの弁護士事務所一覧】
ランク | 事務所名 | 所在地 | 代表 | 所属 |
---|---|---|---|---|
1 | 名村法律事務所 | 東京都墨田区 | 名村 泰三 弁護士 | 東京弁護士会 |
2 | 東京ロータス法律事務所 | 東京都台東区 | 河原 正和 弁護士 | 第二東京弁護士会 |
3 | 弁護士法人シン・イストワール法律事務所 | 東京都千代田区 | 山下 信章 弁護士 | 第二東京弁護士会 |
4 | 横山法律事務所 | 東京都目黒区 | 横山 晃崇 弁護士 | 第一東京弁護士会 |