借金生活リセット倶楽部

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「任意整理」と「自己破産」の中間的存在~「個人再生」とは何だろう?

 

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「来週はまたローンの引き落としか・・・ユウウツだ」

「給料日だと思ったら、借金返済でもうスッカラカンだ」

「明日は返済日だけど、どうしても残高が足りない」

 

借金生活が続くとこんなセリフが出てくるようです。

 

それに借金先が多いと、どんなふうに返済資金を寄せ集めるかということに、一日中心は支配されてしまいます。やはり、借金が増大し返済が難しくなったなら、一時も早く債務整理という方法を検討してもらいたいと管理人は思います。

 

また、債務整理を検討し始めると、次のように考える人もいます。

 

「借金が多すぎて任意整理では解決に遠い・・・」

「自己破産を選ぶと今の仕事が続けられなくなる・・・」

「自己破産だけは嫌だ」

「我が家を手放さずに借金を減らしたい」

 

・・・このような方々には債務整理の一つ「個人再生」が適しています。

 

ただ、裁判所によって「個人再生」が認可されるためには、少々面倒な手続きや多くの書類を提出しなければなりません。

 

では「個人再生」とはどんな手続きでしょうか?

 

・・・というわけで今回は「個人再生」について説明しましょう。

 

 

 

任意整理と自己破産の中間のような制度~個人再生~

 

 

「個人再生」というのは、やや大雑把(おおざっぱ)な分類をすると、「任意整理」と「自己破産」の中間のような整理方法です。

  「個人再生」は法人向けの法律である、民事再生法の個人版と言うことで、5000万円以内の借金であれば、裁判所に申し立てを行って利用することができます

 

さて、「個人再生」は「任意整理と自己破産の中間のような整理方法」と書きましたが、どんな特徴があるのでしょうか?

整理すると以下の点が特徴として挙げられます。

  • 自己破産と同様に裁判所に申し立てをする「法的整理」の一つである。
  • 自己破産のようにすべての債務をチャラ(ゼロ)にする(=「免責にする」)というわけではない。
  • 債務を大幅に減額(5分の1程度)にしてもらい、任意整理のように、長期の分割払いにしてもらう。*1

 

そのうえ、「個人再生」も「任意整理」と同様に、将来利息*2の免除が可能であるため、返済額は大きく抑制できます。

 

また、「個人再生」では、自己破産とは異なり、借金を作ってしまった原因は関係ありません。*3

この点で「ギャンブルで借金を作ってしまった」とか「FXで失敗して多額の借金を背負ってしまった」などの債務超過の経緯をもつ方に向いている解決方法と言えます。

 

さらに債務を5分の1程度まで大幅に減額し、それを3年で支払うという、「再生計画案」が裁判所に認可されれば、債務は計画案に記載された額まで減額されます。

 そして、基本的に3年間の分割支払が終われば、すべての債務がなくなります。*4

 

「個人再生」は「任意整理」とは異なり、裁判所により強制的に借金が減額されるので、「任意整理で利息をカットしたり、月々の返済額を減らしたりしても、返済金額が大きくて難しい」という人にとっては、非常に魅力的な制度となっています。

 

個人再生には2種類ある~小規模個人再生手続と給与所得者等再生手続~

 

 

「個人再生」手続きには以下の二つがあります。

 どちらの場合も、「住宅資金特別条項付」というものを付加することによって、住宅ローン以外の借金を個人再生の対象にすることが可能となっています。

 

  1. 小規模個人再生手続
  2. 給与所得者等再生手続

 

簡単に言うと「小規模個人再生手続」は自営業者や小規模の個人事業主の場合を想定した制度であり、「給与所得者等再生手続」はサラリーマンなどの「給与所得者」を対象にした制度となっています。

 

小規模個人再生手続~個人再生の基本類型~

 

 「小規模個人再生」は本来は、小規模の個人事業者や自営業者をを想定して制定されたもので、民事再生法第13章第1節に規定する特則の適用を受ける民事再生手続です。

その対象は以下となります。

 

  • 個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあること
  • 再生債権額が5000万円を超えないものが行うこと
  • 再生計画(個人民事再生の返済計画)が裁判所に認められるためには、債権者の数の2分の1以上の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えていないこと

 

給与所得者等再生~サラリーマン等にのみ認められる特例的な個人再生手続~

 

 「給与所得者等再生」とは,サラリーマンなど給与所得者等にのみ認められる特例的な個人再生手続きで、以下がその内容となります。

  • 将来的に確実に安定した収入を得る見込みがある個人の債務者のうちで,無担保債権が5000万円以下の者が対象であること。
  • 再生債権を原則3年間で返済する再生計画案を作成し,それについて裁判所の許可を得た上で計画どおり履行することを条件とすること。
  • 裁判所が認可した再生計画について計画通り履行((再生計画通り返済していくこと))することで、再生計画で返済していない債務を免除してもらうこと。

 また、「給与所得者等再生」には以下のような効果が見込めます。

 

  • 債務額を最低弁済額として債務額の5分の1から10分の1の減額。*5
  • 可処分所得の2年分または破産した場合の配当予想額(清算価値)のいずれか高い方にまで減額できる。
  • 3年から5年の分割払いにできる。

 

小規模個人再生手続と給与所得者等再生手続の違い

 

 両者の違いとしては

「給与所得者等再生手続」では、「金融業者等の債権者が再生手続きによって債権額が減額されることについて反対したとしても減額されるのが通常である。」

これに対して

「小規模個人再生手続」では、「借金を減額することに同意しない債権者が全体の半数以上、または同意しない者の債権額が総額の2分の1を超える場合には借金の減額そのものが認められない。」

この点が挙げられます。

 

すなわち、「小規模個人再生手続」では債権者の意向によって借金の減額がされない可能性がある、ということです。

 

ただし、現状では個人再生において、ごく一部の債権者以外は反対債権者が現れる例はないため、小規模個人再生の申立てを行っていくのが一般的となります。

 

・・・以上が個人再生の概要となります。

今回の記事が借金生活に悩まれている方々にとってご参考となれば幸いです。

 

*1:「個人再生」による減額幅は、「任意整理」よりも大きくなります。

*2:「将来利息」とは今後、発生する利息を指す用語です。

*3:「自己破産」では「浪費」、「ギャンブル」、「投機」などが原因で債務超過に至った場合は「免責されない」(=「自己破産」の申立が認められないこと)があります。これを「免責不許可事由」と呼びます。

*4:なお、返済期間については、5年までの長期分割弁済が認められるケースがあります。

*5:ただし,100万円が最低金額となります。