「再生計画」認可の要件を知っておこう!(その2)
こんにちは。レディックです。
今回は前回の続きで「再生計画」認可の要件についてです。
「個人再生」の最重要ポイントである「再生計画」の認可の要件はさまざまなものがあります。
「再生計画」認可の要件は以下のものがあります。
- 個人再生における再生計画認可の要件
- 民事再生共通の再生計画認可要件
- 個人再生共通の再生計画認可要件
- 小規模個人再生特有の再牛計画認可要件
- 給与所得者等再生特有再牛計画認可要件
- 住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可要件
今回は、4~6をご紹介します。
小規模個人再生特有の再生計画認可要件
前回、ご紹介したとおり、「個人再生」には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2つの種類の手続が設けられています。
このうち、基本類型となるのが「小規模個人再生」です。
「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」には、前回書いたとおり、共通する要件もありますが,それぞれに特有の要件もあります。
「小規模個人再生」特有の再生計画認可の要件としては、以下のものがあります。いずれも「民事再生法によって定められています。
- 再生計画案の決議において, 不同意を述ぺた再生偵権者が, 議決権を有する再生債権者の総数の半数に満たず, かつ, その議決権を有する再生偵権者の再生偵権の額が総額の2分の1を超えないため, 再生計画案が可決されたこと
- 再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったものでないこと
- 再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反していないこと
- 再生情務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあること
給与所得者等再生特有の再生計画認可要件
「給与所得者等再生」は、「個人再生」の中でも特別類型に当たる手続きです。
この「給与所得者等再生」の場合も,、「小規模個人再生」と同じく、民事再生共通の要件、個人再生共通の要件のほかに、「給与所得者等再生」に特有の再生計画認可の要件があります。
給与所得者等再生特有の再生計画認可の要件には以下のものがあります。
- 再生計画が再生偵権者の一般の利益に反しないこと
- 債務者に給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがあること
- 定期的な収入の額の変動の幅が小さいこと
- 過去の給与所得者等再生の再生計画が遂行された場合の当該再生計画認可決定確定日, ハードシップ免責*1がされた場合の当該再生計画認可決定確定日・破産免責許可決定確定日から 7 年以内にされた申立てでないこと
- 計画弁済総額が可処分所得額の 2 年分以上であること
住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可要件
「個人再生」の大きなメリットに「自宅を維持して借金を減額できる」点がありますが、これは「住宅資金特別条項」というものが根拠となっています。
「再生計画」に、この「住宅資金特別条項」を定める場合には,上で書いてきた各再生計画認可要件以外に「住宅資金特別条項を定めた再生計画に固有の認可要件」も満たしている必要があります。
住宅肉金特別条項を定めた再生計画に固有の認可要件としては,以下のものがあります。
- 個人再生本体(小規模個人再生または給与所得者等再生)の再生計画認可の要件を充たしていること
- 住宅資命特別条項の対象となる債権が「住宅資金貸付債権」に当たること
- 住宅査金貸付債権が法定代位により取得されたものでないこと
- 対象となる住宅に住宅ローン関係の抵当権以外の担保が設定されていないこと
- 対象となる住宅以外の不動産にも住宅ローン関係の抵当権が設定されている場合には,その住宅以外の不動産に後順位抵当権者がいないこと
- 個人再生申立ての際に提出する債権者一覧表に住宅資令特別条項を定めた再生計画案を提 出する意思がある旨を記載すること
- 住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出したこと
- 再生計画が遂行可能であると認められること
- 再生債務者が住宅の所有権又は住宅の用に供されている土地を住宅の所有のために使用する権利を失うこととなると見込まれないこと
・・・以上が「「再生計画」認可の要(その2)」でした。
これらを全て満たさないと「再生計画」が認可されませんので、注意しましょう。
*1:「ハードシップ免責」とは債務者がそれまで再生計画上の返済をしてきたにもかかわらず、債務者に責任のない事情によって、残る返済をすることが極めて難しくなってしまった場合に、非常に例外的な救済措置として、残る借金を全て免除する制度です。