借金生活リセット倶楽部

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お得な整理方法:「個人再生」の手続きについて知ろう!②~「個人再生委員との面談」から「再生計画通りの返済開始」まで~

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  借金先が多いと、どんなふうに返済資金を寄せ集めるかということに、一日中心が支配されてしまうことでしょう。そして、過去に遅れるようなことがなかった借金返済が指定日にできなくなってきたら、ためらうことなく債務整理を検討すべきと管理人は考えます。

  債務整理は、「任意整理」、「個人再生」、「自己破産」などがありますが、借金解決して楽になりたいと言う人に直ちに実施してほしい方法です。独力でもやり抜くことができますが、弁護士に委ねるのが一般的です。

  その中で、「個人再生」は民事再生手続の個人版であり、債務を大幅に圧縮できる債務整理のことであり、持ち家を手放すことなく債務整理可能だというところが大きなメリットです。

では、「個人再生」はどのように手続きを行うのでしょうか?

概ね、以下のように進みます。

  1. 申立て
  2. 個人再生委員の選任
  3. 再生手続開始決定
  4. 個人再生委員との面談
  5. 「再生計画案」の提出
  6. 「再生計画案」の認可(不認可)
  7. 再生計画通りの返済開始

今回は前回の続きとして「個人再生手続き(上述の4~7)」について具体的な流れをご紹介します。

 

 

 

個人再生委員との面談

 

 「再生手続開始決定」が出されると、申立人は個人再生委員と面談します。

面談の際には個人再生委員から申立人(債務者)と申立代理人(弁護士)に対して、提出した書類をもとに様々な質問が出され、資料が不足していると判断された場合には追加資料の提出を求められます。

  この資料収集や書類作成へのに対応と並行して、6か月間のリハーサル*1中は個人再生委員が指定する口座に返済予定額を毎月入金しなければいけません。

返済計画が認められるためには、このリハーサルできっちりと返済予定額を入金することが非常に大事になってきますので、決して遅れないようにしましょう!

 

「再生計画案」の提出

 

個人再生委員による債権・財産等の調査が終了すると「再生計画案」の提出になります。この計画案では減額した返済額は以下の基準を満たしていなければなりません。

(1)財産がある場合 

 

個人再生においては破産をして換価処分をすれば得られるであろう金額よりも減額することはできません。*2

 

(2)小規模個人再生の減額率

 

「小規模個人再生」の減額率は以下の通りとなります。

  1. 債務額が100万円以下の場合          ⇒ 債務全額(減額なし)
  2. 債務額が100万円以上500万円未満の場合 ⇒ 100万円
  3. 債務額が1500万円超3000万円以下の場合 ⇒ 300万円
  4. 債務額が3000万円超5000万円以下の場合 ⇒ 10分の1
  5. 債務額が500万円超1500万円以下の場合  ⇒ 5分の1

また財産がある場合は上記減額率による金額と財産の価値と比べて大きい金額を採用します。

*3

 

(3)給与所得者等再生の場合(1+2+可処分所得要件)

 

 「可処分所得」とは平均年収額から再生債務者およびその不要を受けてるべき者の最低限度の生活を維持する所得のことです。第三の条件として「「可処分所得の2年分以上の金額」であること」が挙げられます。

つまり、(1)の金額と(2)の金額、そして「可処分所得の2年分」の金額を比較して最も大きい金額が返済金額となります。

 

「再生計画案」の認可(不認可)

 

「再生計画案」の認可

 

 提出された「再生計画案」について、「小規模個人再生」であれば、「債権者の議決」が、「給与所得者等再生」であれば「債権者への意見聴取」が裁判所で行われます。そして問題がなければ「計画再生案」が認可されます。

認可されてから1か月後くらいに「再生計画案」は確定します。この確定によって、「法的に借金が減額された」ことになります。

「再生計画案」の不認可

 

 

 もし、「再生計画案」が認可されなかった場合には、まず不服申立てという手段を取ります。さらに「不服申立て」によっても、「再生計画案」の不認可が、くつがえらない場合には、再度「給与所得者等再生」の申立てを行うか、他の整理方法(自己破産手続、任意整理等)を検討することになります。

 

再生計画通りの返済開始

再生計画案の確定により減額された借金を毎月返済していき返済が終了すれば、残額が免除されて借金生活から解放されることになります!

 

・・・以上が「個人再生」の手続きとなります。

 

お読みになれば分かりますが、相当面倒くさい手続きです。さらに裁判所への提出書類の収集や作成に相応の時間がかかります。*4

その辺りを考えれば、「個人再生」を選択するのであれば(その可否も含めて)、なるべく早く弁護士や司法書士に相談したほうが良いでしょう。

 

では、また。

 

 

*1:「東京地方裁判所」では、このリハーサルを「履行可能性テスト」と呼んでいます。

*2:これを「清算価値保障の原則」と言います。

*3:(1)で書いた通り、保有資産を換金した際の金額と比較して決定します。

*4:「再生計画案」の作成も同様に大変な作業となります。