借金生活リセット倶楽部

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任意整理後にクレジットカードの発行はできないの?

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こんにちは、借金生活リセット倶楽部のレディックです。

  裁判所を介さずに債権者である貸金業者などと「将来利息」や「延滞損害金」などの免除を求めて交渉する、「任意整理」は債務整理の中で最も利用されている方法です。

任意整理に関係する情報は数多くの人が目の当たりにするようになり、将来利息を0円にしてもらったり、返済期間を交渉して月々の負担額を減額してもらったりというメリットは以前より知られるようになりました。

さて、任意整理に関係して懸念されることの一つとして、「任意整理後のクレジットカードの発行」があります。

結論から言うと一定期間が経過すれば再びクレジットカードを持つことができます。期間は任意整理の場合5年程度。*1

 また、任意整理後にはブラックリスト」に載りますが、「自分は現在ブラックリストに載っているのか?」という疑問は、インターネットや郵送で信用情報機関に開示請求することで解決することが可能です。

 ・・・というわけで今回は「任意整理後のクレジットカードの発行」についてご紹介します。

 

 

1.任意整理とは?

 

「任意幣理」とは、債権者と将来利息のカットや長期分割弁済などの返済の方法や返済の額について交渉をして、支払いが可能になるような(今よりも良い)条件での合意を成立させる手続きです。

すべての債務整理の手続きの中で、最もよく利用されるのが、この任意整理の手続きですが、裁判所への申立の必要はなく、自分一人でも行うことができます。

これは他の信務整理が裁判所を介する法的措置*2であるのに対して、任意整理は債権者と債務者との「私的交渉」という位置づけなります。

また、裁判所は関与しませんので、自己破産や個人再生の場合のように、裁判所に提出する書類を用意する必要はありません。

「利息制限法」の上限利率を超える利息の契約がある場合には、利息制限法による引き直し計算を行い、過去に払い過ぎている利息を元本に充当して債務を減らします。*3

そして、将来の利息はカットして長期分割払いをするという交渉や、一括返済するので債務を減額して欲しいというような交渉をしていきます。

なお、「任意整理は私的交渉ですので、自分一人で行うことができる」と書きましたが、債権者相手の交渉については、素人にはハードルが高く、専門家(弁護士や司法書士)に依頼するほうが良いでしょう。

 

 

2.クレジットカード発行時の「信用確認」について知っておこう!

 

クレジットカード決済は、消費者・お店・クレジットカード会社の三者間の「信用」の上に成り立っています。「任意整理後にクレジットカードの発行ができるか?」の答えに入る前に、まずはクレジットカード会社がカードを発行する際、どのように「信用」を確認しているのかを知っておきましょう。

消費者がクレジットカードの申し込みを行う時に年収や勤務先の規模などを自己申告しますが、それ以上にカード会社が重視しているのが「信用情報機関」の情報です。*4

これはクレジットカード会社が「信用情報機関」に情報を照会し、回答を得て、支払い能力を判断しているからです。

こうして得た情報を点数化して、クレジットカード発行の可否を決めているのですが、この「信用確認」に相応の時間がかかるため、カードが発行されるまで数日〜数週間かかるわけです。

また、信用情報機関には、「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」「株式会社日本信用情報機構(JICC)」「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」の3つの期間がありますが、これらの機関は、専用のネットワークを通じて信用情報に関する情報交換をおこなっています。

 

3.任意整理後にクレジットカードは作れる?

 

さて、クレジットカード発行時の「信用確認」について、ご理解いただけたと思います。

そこで、「任意整理後にクレジットカードは作れるか?」の答えになりますが、結論から言うと、任意整理を行った人も再びクレジットカードを持つことは可能です。

債務整理を行った場合は、一定の期間その事実が信用情報機関に記録されます。俗に言う「ブラックリストに載る」という状態です。この期間が明ければ、再びクレジットカードを持てるようになります。*5

 

4.任意整理をすると今のクレジットカードはどうなる?

 

任意整理後の新規カード発行についてよりも、むしろこちらの方が気になる方も多いかと思いますが、任意整理を行うと今所有しているクレジットカードはどうなるのでしょうか?

こちらについては、既存のクレジットカードは解約扱いになりますので、キャッシングはもちろんショッピング枠でのクレジットカード利用も不可能となります。また、これまでクレジットカードに貯めていたポイントなども全て失効されてしまいます。*6

 

5.任意整理後にクレジットカードの申込みをする際は、先に信用情報を調査!

 

上でも書きましたが、「ブラックリストに載っている(=「事故情報」が登録されている)」期間が明ければ、再びクレジットカードを持てるようになります。事故情報が登録される期間に関する「起点日」の定め方は、債務整理の種類や信用情報機関によって異なります。期間終了が近づき、新たにクレジットカードを申し込もうとする場合は、事前に最新の信用情報を確認しておいたほうが確実です。自分の信用情報は、信用情報期間に開示請求することができます。基本的に手続きができるのは本人で、代理人が行う場合は委任状が必要です。各信用情報機関への開示請求は以下の通りとなります。

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6.任意整理後のクレジットカード申し込み時に注意することとは?

信用情報機関へ照会した結果、ブラックリストから外れたことが確認できれば、いよいよクレジットカード会社に申し込みができますが、その際の注意事項を見ていきましょう。

任意整理対象となったクレジットカード会社は選ばない

 信用情報機関からは事故情報が消えても、クレジットカード会社の自社データベースに情報が保存されています。*7

債務整理の対象となったクレジットカード会社からは、カードを二度と発行してもらえない可能性が極めて高いですので、別のカード会社で申し込むようにしましょう。

 

短期間に複数のカードを申し込まない

 「一社だけでは審査に落ちるかもしれないから、複数のクレジットカード会社に同時に申し込んでおこう」と考える方がいるかもしれませんが、それは危険です。

短期間に複数のクレジットカード会社に申し込むと、「この人は複数のカードでキャッシングをして、借金で首が回らなくなっているのではないか」と疑われてしまうからです。

 

・・・以上が「任意整理後のクレジットカードの発行」のご紹介でした。

クレジットカードがないと、ETCカードが持てず高速料金の割引が受けられないなど、生活のふとした場面で不便さを感じることでしょう。任意整理は、自己破産や個人再生と比べて使いやすく、ご依頼者にかかる負担が少ない方法ですが、整理後の生活全体への影響も十分に考える必要があります。

また、債務の額が大きくなりすぎると毎月の返済が困難となり、任意整理での解決は難しくなります。任意整理をご希望の場合には、債務の額があまり大きくならない間に、お早めに専門家にご相談ください。

 

いずれにしても、借金問題は時間との戦いです。

まずは、1日でも早く弁護士や認定司法書士に相談を行い、新しい人生の第一歩を踏み出してください。

この記事が借金生活でお悩みの方々にご参考となれば幸いです。

では、また。

*1:債務整理の種類(個人再生や自己破産)によって異なり、最長では10年くらいとなります

*2:これを「任意整理」に対して「法的整理」といいます

*3:任意整理の手続きの中で、利息制限法による引き直し計算を行った結果、「過払い金」が発生していることがあります。大体、2007年以前に開始した取引が対象になります。この場合、過払い金返還詰求を行います

*4:「過去の借り入れ状況」や「支払いの履歴」を中心にチェックします

*5:CICでは、債務整理を行う前に返済に3ヶ月以上の延滞があれば5年間、「事故情報」として登録されます。JICCでも登録期間は5年間です。KSCでは保証会社が代位弁済をした場合は、その事実が5年間登録されます

*6:これまで頑張ってポイントを貯めていたという方は、債務整理を申し込む前に交換や使い切るなどした方が良いでしょう

*7:これを俗に「社内ブラック」と言います