借金生活リセット倶楽部

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任意整理すると住宅ローンを組めない?~任意整理と住宅ローンの関係

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こんにちは、レディックです。

 

裁判所を介さずに債権者である貸金業者などと「将来利息」や「延滞損害金」などの免除を求めて交渉する、「任意整理」は債務整理の中で最も利用されている方法です。

 任意整理に関係する情報は数多くの人が目の当たりにするようになり、将来利息を0円にしてもらったり、返済期間を交渉して月々の負担額を減額してもらったりというメリットは以前より知られるようになりました。

任意整理に関係して懸念されることの一つとして、「住宅ローン」の問題があります。任意整理で借金生活から脱却できるのは良いのですが、住宅ローンを組むことができるかどうか、気になるところです。

  ・・・というわけで今回は「任意整理と住宅ローンの関係」についてご紹介します。

 

 

 

1.任意整理とは?

 

  「任意幣理」とは、債権者と将来利息のカットや長期分割弁済などの返済の方法や返済の額について交渉をして、支払いが可能になるような(今よりも良い)条件での合意を成立させる手続きです。

すべての債務整理の手続きの中で、最もよく利用されるのが、この任意整理の手続きですが、裁判所への申立の必要はなく、自分一人でも行うことができます。

これは他の信務整理が裁判所を介する法的措置*1であるのに対して、任意整理は債権者と債務者との「私的交渉」という位置づけなります。また、裁判所は関与しませんので、自己破産や個人再生の場合のように、裁判所に提出する書類を用意する必要はありません。

 「利息制限法」の上限利率を超える利息の契約がある場合には、利息制限法による引き直し計算を行い、過去に払い過ぎている利息を元本に充当して債務を減らします。*2

そして、将来の利息はカットして長期分割払いをするという交渉や、一括返済するので債務を減額して欲しいというような交渉をしていきます。

なお、「任意整理は私的交渉ですので、自分一人で行うことができる」と書きましたが債権者相手の交渉については、素人にはハードルが高く、専門家(弁護士や司法書士)に依頼するほうが良いでしょう。

 

2.任意整理すると住宅ローンを組めなくなる理由

任意整理をしても、借金を完済したらまた住宅ローンを利用したいという方もいるでしょう。

しかし、そもそも任意整理をすると、その後約5年間、住宅ローンを利用できなくなる可能性があるのです。 *3

では、任意整理をすると、なぜ住宅ローンを利用できなくなるのでしょうか。
また、任意整理後、住宅ローンを利用できない期間がどのくらいなのかも知っておきたいところです。
 

任意整理をすると「ブラックリストに載る」

  任意整理をすることによって住宅ローンを利用できなくなるのは、個人信用情報に事故情報が記録されるからです。*4

個人信用情報とは、個人の借入や返済などについての履歴などの情報です。そして、個人信用情報は、信用情報機関において保管されています。指定情報機関にはCICとJICC、KSCの3つがあります。

 銀行や信用金庫は、このなかでもKSCに加盟しています。銀行や信用金庫、住宅金融支援機構などの金融機関は、住宅ローンの審査時に、加盟している信用情報機関(多くの場合にはKSC)の個人信用情報を確認します。

そして、特に問題がなく、信用できる人であれば審査に通して住宅ローンの貸付を行いますが、借入返済履歴に問題がある人は審査に通らなくなる可能性が高くなります。

実は、任意整理などの債務整理の手続きを利用すると、この個人信用情報にネガティブ情報である事故情報が記録されてしまいます。すると、住宅ローン審査の際に事故情報があることが判明して、過去に債務整理したことがわかり、審査落ちしてしまうのです。

個人信用情報に事故情報が記録されている以上は、住宅ローン審査に通らないので、どれだけ収入が高くても上場企業に勤務していても、勤続年数がどれだけ長くて信用力があっても住宅ローンの審査に通らず、ほとんどの金融機関で住宅ローンを利用できません。
 

任意整理後住宅ローンを利用できない期間

 任意整理をしたからといって、一生ブラックリスト状態になってしまうわけではありません。どの信用情報機関でも、手続き後一定期間が経過したら、任意整理による事故情報は消去されます。

任意整理による事故情報が消去されるまでの期間は、原則として手続き後5年です。よって、任意整理をした後5年ほど経過すれば、また住宅ローンを利用できる可能性があります。
 

完済しても住宅ローンを利用できない!

 任意整理によって借金を完済したとしてもブラックリスト状態から解放されるとは限らない点に注意が必要です。

任意整理後の支払い期間はだいたい3年~5年程度に定めることが多いです。早期に返済してしまいたいという理由で、それより短く、1年程度にする場合もあります。このように、5年よりも短い返済期間を定めた場合、完済したとしても住宅ローンを利用することはできません。

例えば返済期間が3年のケースでは、任意整理による借金の完済は手続きの3年後になります。このケースでは、さらに2年間は住宅ローンを利用できないことになってしまうのです。
 

支払いを遅延すると、ブラックリスト期間が延びる!

 任意整理後の支払いを遅延した場合には、遅延分を支払った延滞状態の解消後、さらに5年の期間が必要になるケースがあります。

例えば任意整理後の支払いを4年と定めた場合、手続きの2年後に返済を遅延してしまったとします。この場合、遅延状態を解消したとしても、その時点からさらに5年間は事故情報が残ってしまう可能性があるのです。

このように返済遅延を繰り返すと、最終的に債権者への借金完済後5年間経過しないと、ブラックリスト状態から解放されなくなってしまう可能性があります。したがって、任意整理後の支払いは延滞しないことが重要です。
 

・・・以上が「任意整理と住宅ローンの関係について」のご紹介でした。

基本的に任意整理を行うと、借金返済の条件がより良い条件になりますが、デメリットとして「ブラックリストに載る」ことは避けられませんので注意が必要です。

 

では、また。

*1:これを「任意整理」に対して「法的整理」といいます

*2:任意整理の手続きの中で、利息制限法による引き直し計算を行った結果、「過払い金」が発生していることがあります。大体、2007年以前に開始した取引が対象になります。この場合、過払い金返還詰求を行います

*3:任意整理だけではなく、過払い金請求以外の債務整理の手続き、特定調停や個人再生、自己破産を利用しても、原則住宅ローンは利用できません

*4:個人信用情報に事故情報が記録されることを俗に「ブラックリストに載る」といいます