面倒だけど頑張ろう!~個人再生に必要な書類①(裁判所から取り寄せるもの)~
弁護士事務所や司法書士事務所のホームページ等に記載されているところによれば、平均的なサラリーマンの場合、借金総額が200万円か、あるいは毎月の返済額が10万円を超えていると「債務整理」を検討すべき状況とのことです。
債務整理は借金返済を完結させるための減額交渉の1つで、借金の返済に窮するようになったら、迷わず「債務整理」を視野に入れるべきと管理人も考えます。
その「債務整理」の中で「個人再生」では借金を大きく圧縮でき、住宅などの財産を維持できるという魅力ある制度となっています。
「個人再生」は裁判所が介在しますので、手続きが面倒であったり、提出書類も数多く必要なこととなっていますが、メリットを考えれば、やむを得ない部分と考えます。
さて、「個人再生」に必要な書類ですが以下のように大別されます。
1.申立時に必要な書類
(1)裁判所から取り寄せるもの
(2)個人で用意するもの
2.申立後に必要な提出書類
今回はこれらの必要書類のうち、「個人再生の申立時に必要な書類」として「裁判所から取り寄せるもの」についてご紹介します。
裁判所から取り寄せる書類とは?
裁判所から取り寄せる申立の必要書類は以下の通りになります。*1
- 申立書:申立人を特定するための書類
- 陳述書:職業・収入・財産を示す書類
- 家計表:現状の収支をまとめた書類
- 債権者一覧表:借入先についてまとめる書類
- 財産目録:申立人が所有する財産に関する書類
では、順にご説明しましょう。
申立書
まず、「個人再生」をするためには,個人再生手続の利用を希望する旨を表明するための書類、「申立書」を作成する必要があります。
この「申立書」を管轄の裁判所に提出することによって,個人再生手続開始を申し立てることになります。「申立書」は個人再生の申立人を特定するために必要な情報を記載する書類ですが、以下の項目の記載が必須となります。
- 申立人の氏名・住所(法定代理人の氏名・住所)
- 再生債務者の氏名・住所(法定代理人の氏名・住所)*2
- 申立ての趣旨:「申立人について,小規模個人再生(あるいは「給与所得者等再生」)による再生手続を開始する。」旨を記載する。
- 再生手続開始原因となる事実*3
- 再生計画案作成方針についての申立人の意見
「申立書」は以下のように記載します。
「申立人は,各再生債権者に対する債務について,相当部分の免除を受けた上,法律の要件を満たす額の金銭を分割して支払う方針である。
なお,現時点での計画弁済予定額は,月額 円であり,この弁済の準備及び手続費用支払の準備のため,申立て後1週間以内の日を第1回とし,以後毎月 日までに個人再生委員の銀行口座に同額の金銭を入金する。」
また、「小規模個人再生」か「給与所得者等再生」のどちらを選択するかを記載することが必要ですが、東京地裁の場合、「小規模個人再生」および「給与所得者等再生」の各々の書式が用意されています。
陳述書
「陳述書」には、主に以下の項目を記載します。
- 現在の職業
- 過去の職歴
- 収入
- 家族の状況
- 同居の有無、
- 現在の住居*4
- 「個人再生手続きの申し立てをするに至った事情」
会社員や公務員の場合は、収入の欄には手取りの金額*5を記載します。賞与がある場合は、過去一年における賞与の金額と時期について記載することになります。
一方、自営業者の場合は、事業の開始時期、事業の名称、営業場所の住所と事業内容、さらに過去の確定申告書を元に1ヶ月あたりの所得について記入します。
家計表
「家計表」とは、申立人の家計の収支の明細を記載したもので、申立て直前の2か月分の状況を提出します。収入の合計額として、月々の給与の総額*6を記入します。
また、生活費として家賃、電気・ガス・水道料金等の光熱費、食費、各種保険などを含めた支出を記載していきます。なお、支出の欄には住宅ローン、消費者金融への借入に伴う返済の記述も必要です。
債権者一覧表
「債権者一覧表」は、全ての借入先について以下の項目を記載します。
- 債権者の氏名
- 債権の種類(貸付金・立替金など)
- 債権の金額
- 債権者の住所・連絡先
なお、住宅ローンがあれば別途、借入額を記載します。
財産目録
「財産目録」は、現金、預金、自宅などの不動産、各種保険、自動車などの「資産価値*7」について記載する書類です。
自営業の場合などで、「貸付金」や「売掛金」がある場合は、相手の氏名と金額、回収の見込みの有無を記入します。
また、加入中の保険に関しては保険名と解約した場合の返戻金について記入します。
自宅や土地などの不動産、自動車に関しては時価評価額の記入が必要です。
もし、住居が賃貸であれば、契約時に預けた敷金についても記載する必要があります。なお、 相続財産がある場合、相続の時期と相続の対象財産、被相続人関する記入することになります。
・・・以上が「個人再生に必要な書類①(裁判所から取り寄せるもの)」のご紹介でした。実際のところ、書き方などについて戸惑う部分もありますので、やはり専門家に相談しながら作成したほうが良い書類が多いと考えます。