借金生活リセット倶楽部

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任意整理すると会社を辞めなければいけないの?

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こんにちは、レディックです。

 

裁判所を介さずに債権者である貸金業者などと「将来利息」や「延滞損害金」などの免除を求めて交渉する、「任意整理」は債務整理の中で最も利用されている方法です。

任意整理に関係する情報は数多くの人が目の当たりにするようになり、将来利息を0円にしてもらったり、返済期間を交渉して月々の負担額を減額してもらったりというメリットは以前より知られるようになりました。

さて、任意整理に関係した心配事の一つとして、「任意整理後に会社を辞めなければいけないのか?」という疑問があります。

 

「借金がバレたら会社をクビになるかもしれない」

「でも、任意整理したらそのせいで会社を退職させられるかもしれない」

「もうどうすればいいのかわからない」

 

結論から言うと任意整理が会社にバレたとしても、任意整理したことだけを理由としてクビにするのは違法です。

また、借金の問題を放置しておくほうが、退職という結果に陥るおそれは大きいと言えます。加えて、周りの人や会社の人に知られるきっかけとなる要素がまったくないという特徴があります。

  • なぜ任意整理しても退職(クビ)にならないのか、
  • クビになりたくないという理由で借金を放置するとどのような結果になりうるのか

・・・というわけで今回は「任意整理と退職との関係」についてご紹介します。

 

 

1.任意整理とは?

 

 「任意幣理」とは、債権者と将来利息のカットや長期分割弁済などの返済の方法や返済の額について交渉をして、支払いが可能になるような(今よりも良い)条件での合意を成立させる手続きです。すべての債務整理の手続きの中で、最もよく利用されるのが、この任意整理の手続きですが、裁判所への申立の必要はなく、自分一人でも行うことができます。

これは他の信務整理が裁判所を介する法的措置*1であるのに対して、任意整理は債権者と債務者との「私的交渉」という位置づけなります。また、裁判所は関与しませんので、自己破産や個人再生の場合のように、裁判所に提出する書類を用意する必要はありません。

  「利息制限法」の上限利率を超える利息の契約がある場合には、利息制限法による引き直し計算を行い、過去に払い過ぎている利息を元本に充当して債務を減らします。*2

そして、将来の利息はカットして長期分割払いをするという交渉や、一括返済するので債務を減額して欲しいというような交渉をしていきます。

なお、「任意整理は私的交渉ですので、自分一人で行うことができる」と書きましたが、債権者相手の交渉については、素人にはハードルが高く、専門家(弁護士や司法書士)に依頼するほうが良いでしょう。

 

2.任意整理は仕事へ影響するのか? 

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。

この中で、自己破産を選んだ場合、手続中は一定の職業に就けなくなるという制限があります。

一般的な事務などを行っている会社員であれば影響はないことが多いですが、この制限は弁護士や会計士などの士業、警備員、建設関係、旅行関係、金融関係など、さまざまな分野の職業が対象となっています。

もし、自己破産をする場合で自分の仕事が制限の対象となる場合は、事前に会社に相談して休職などの措置を取ってもらう必要があります。そうしなければ、会社や自分が罰せられるなどの問題が起き、それを理由に退職にまで発展してしまうおそれがあります。

一方で、任意整理を選んだ場合は、自己破産の場合のような仕事上の制限は一切ありません。任意整理をするからといって会社に相談しなければならないようなことも全くないので、任意整理は仕事への影響という面では、(言葉は良くないのですが)「かなり気楽にできる債務整理」であるといえます。

 

3.任意整理した場合、退職金はどうなる?

 

任意整理をすると退職金に影響があるという誤解をしている人がたまにいるようです

これは個人再生や自己破産で退職金が「財産」として扱われ、場合によっては回収されてしまうことがあるので、「任意整理でも退職金に影響があるのでは?」という誤解が広まってしまったものと考えられます。

実際には、任意整理と退職金は何の関係もありません。回収されることもなければ、任意整理をしたからという理由で減額されることもありません。

 

4.任意整理をせずに借金を滞納するとどうなる?

 

上記の通り、任意整理のせいで会社をクビになるおそれはないということはご理解いただけたと思います。

では、、任意整理をせずに借金を滞納してしまった場合、どのようなことが起こりうるのでしょうか?以下の流れとなる可能性がありますので、注意しておきましょう。

  • 3~6カ月以上借金の滞納が続くと、カード会社などから会社宛てに督促の連絡が来る
  • 督促状により借金をしていることが会社にバレる可能性がある。
  • 最終的にはカード会社などから借金を返済するよう訴訟を起こされ、裁判に負けて財産を差し押さえられることになってしまう

 注意しなければいけないのは「会社から支払われる給料というのもひとつの財産である」ということです。

つまり、滞納が続くと給料を差し押さえられる結果となってしまうのです。

そして、給料が差し押さえられる状況になると、借金を抱えているということが会社にバレることになります。

 借金をしているということだけを理由に会社をクビになることはありませんが、昇進に影響があったり、会社に居づらくなったりするというケースはあるようです。その結果として、本人が自ら退職を選ぶという結果も珍しくはありません。

 ですから、借金を返しきれずに滞納しそうな場合や、既に滞納している場合は、放っておかずに弁護士などに早めに相談したほうが、悪い結果を避けられるといえます。

 

5.任意整理と転職への影響とは?

 

任意整理をすると、「借金をもともと決まった条件で返すことができなかった」という信用事故の情報が、「信用情報機関」という機関に5年程度登録されます。*3

この信用情報機関に登録されている間は、お金を貸す事業を行っている企業(銀行・クレジットカード会社・消費者金融)に加えて、信用情報機関への転職も不利になる可能性があります。

また、任意整理の対象にした会社も、その会社の記録として債務整理の情報が残っていることがあるので、転職時に不利になる可能性があります。

しかし、任意整理の対象とした会社や、貸金業者信用情報機関以外の場合、転職時に任意整理が悪影響を及ぼすということは一切ありません。

任意整理は法律で認められている手続きであり、それを行ったからといって仕事ができなくなるということはありえないからです。

 

・・・以上が「任意整理と退職との関係」のご紹介でした。

 

任意整理では利息をカットしたり返済期間を調整したりできるため、返済の負担をかなり軽くすることができます。また、個人再生や自己破産と比べてデメリットが少ないということも特徴です。

また、クビになることを恐れて任意整理せずに借金を放置してしまった場合、任意整理をしたときよりもはるかに悪い結果となる可能性のほうが高いのです。

借金の問題で不安を抱えている人は、思い切って弁護士に相談してみることをおすすめします。

 

この記事が借金生活でお悩みの方々にご参考となれば幸いです。

では、また。

*1:これを「任意整理」に対して「法的整理」といいます

*2:任意整理の手続きの中で、利息制限法による引き直し計算を行った結果、「過払い金」が発生していることがあります。大体、2007年以前に開始した取引が対象になります。この場合、過払い金返還詰求を行います

*3:いわゆる「ブラックリストに載る」という状態です